浮気の証拠となるものは、スマホやレシート、カードの明細と思っていませんか。
我が家の場合、浮気の証拠となるものは、自ら歩いて登場しました。

こういうことはドラマの中の世界とばかり思っていたので、正直、驚きましたが、
意外に冷静に対応できている自分がいました。

夫と私は晩婚です。学生時代に出会って、付き合っていない期間もありましたが、
最初の出会いから20年くらい過ぎた頃に結婚しました。
年齢的には、先輩だった彼は40歳を超え、私はぎりぎり40歳になる前くらいでした。
当然、この年齢では子供は無理と思っていたのですが、結婚後、3か月目に妊娠し、
私はママになれちゃうの?という感じでした。でも、順調に行ったのはここまでで、
妊婦生活は少し大変でした。入院もしました。
おそらく、浮気が本格化したのは、この頃だろうと思います。

その後、私は出産しました。40歳を過ぎて、父親になった夫は、急に帰宅が早くなって、
子供が眠る前に帰れるべく努力し始めました。
おそらく、我が家に来た浮気の証拠となるものは、
それが不満だったのだと思います。とある土曜日の朝、
ピンポーンという感じで、本当に突然、やってきました。

「はい」と私は答えました。彼女が〇〇(夫の名前)さんにお世話になっている◇◇ですと言うと、
夫の背がぴくんと動きました。あっと思いました。どうしてあっと思ったのかは分かりませんが、
こればかりは女の直感としか言いようがありません。頭はどうしようと思いましたが、
体は勝手に動いて玄関を開けました。そして、どうぞと言いました。

ソファに座ってもらって、コーヒーを出して、夫と私と彼女はじっとしていました。
子供は夫に抱かれていたのですが、声を出していたのは子供だけです。
多分、彼女も優しい人なのだと思います。別れてくださいか、夫を私に下さいか、
おそらく言うことがあってきたのだと思います。

でも、子供が口を鳴らして遊んでいたり、ウ~とうなっていたりしたので、
言い出せなくなったのだと思います。そんな状態がしばらく続いてから、
夫がちょっと彼女と出てくると言って、彼女を連れて出ていきました。

私は夫が浮気をしていることに、全く気がついていませんでした。
浮気の証拠となるものがこのようにして登場しなかったら、
私はずっと気づかなかったかもしれません。
それくらい、夫との間はいわゆる恋人同士のそれは失われていました。
そして、夫と彼女をいっていらっしゃいと送り出してから、
これからどうなるのだろうという不安が湧いてきました。

夫が返ってきたのは、夕方になってからでした。
大丈夫?と聞くと、ばたんと土下座しました。
私はうんと答えるのが精一杯でした。
それから、どういうふうに時を過ごしたのかよく分かりませんが、
その件には深く触れず、今日まで来ています。

子供が生まれて、これからもっと幸せになろうとした時に、
浮気の証拠となるものが自ら来て、後になって考えれば、とても大きな出来事だったはずです。
でも、衝撃が大きすぎて、私の心の働きはその時、ストップしました。
家族三人、変わらぬ家庭生活を送れているのは、
そのおかげです。不幸中の幸いだったと思っています。

浮気をされたら、もちろん良い気はしません。
浮気相手が家まで訪ねて、招き入れるなんて、尋常じゃないとも思います。
でも、今の日本では子供を1人で育てるのは少し大変です。
子供の将来のことを思えば、大きくことを荒立てず、
受け入れることができて、良かったと思っています。
もちろん、もう一度、同じことがあった時、
私が同じ対応をするかどうかは分かりません。
とはいえ、一度目は、このような対応をして、
乗り越えました。二度目はないことを願っています。