数年前、すなわち僕が37歳だったころの不倫体験談になります。
相手の女性は2歳年上の39歳で旦那と二人の子供を持っていました。
取り合えずここではその女性をKさんと呼びます。

その当時僕には4年間交際していた女性がいたのですが、
多忙によるお互いのすれ違いから距離が出来、
向こうから別れを告げられる形で破局となりました。その彼女のことは好きでしたが、
彼女をきちんと思いやってあげられなかった自分の不甲斐なさが嫌になり、
ちょっとした自己嫌悪と気力喪失モードに陥っていたのです。
そんな状況の時に出会ったのが前述のKさんでした。

Kさんとの出会いのキッカケは、僕が時折顔を出していた社会人音楽サークルです。
もともとピアノは趣味でしたが、
彼女と別れたことによる失恋のダメージを忘れたかったせいもあり、
そのサークルに加入することにしたのです。
そしてKさんもまたその音楽サークルのメンバーでした。

Kさんの初対面の印象は「綺麗で落ち着いた感じの人」でした。
左手の薬指に指輪が嵌っているのも見ているので、
既婚者であるのも大体予想がつきました。
なのでKさんのことは同じサークルメンバーという認識以上の存在ではなかったのです。

ですがある夜、僕とKさんがたまたま帰り道が一緒になったのです。
その途上でkさんが「たまに元気ないときがあるけど大丈夫?」と僕を気にかけてくれました。
ぼくは長年付き合った彼女にフラれたことを告げると、
Kさんは「元気出しなよ」と慰めてくれたのです。
その日はただそれだけの会話で終わりましたが、
それ以降は心なしかKさんが妙に僕に接近してくるようになりました。
それだけでなく、サークルの練習が終わった後は一緒に帰る機会も増えていったのです。
それに伴って僕も次第にKさんに心を許すようになっていきました。

お互いの身の上話などもするようになり、
次第にKさんの家庭事情もだんだん分かってきたのです。
旦那とは半ば冷え切った関係であることもこの段階で知りました。
お互いが寂しい環境にあるという共通点があったのです。

そこから関係が一気に深まるのに時間はさほどかかりませんでした。
寂しさを紛らわすためにお互いがお互いを求めたのですから。
僕らの不倫期間は2か月ちょっとでしたね。
そのあたりになると次第に熱が冷めていくというか、
急に現実を意識しだす頃合いだからでしょう。

僕自身不倫を続けるのはマズイという危機感も持っていましたし、
Kさんの方も家庭を捨てる気はないのは分かっていました。
それゆえ僕らの関係も自然に薄れ、あっけないくらい簡単に終わったのです。
Kさんも僕も、関係が終わった後も何食わぬ顔で音楽サークルに出席しています。
もちろんその事はお互い口にしないという暗黙の了解がすでに出来上がっていました。
今では普通のサークル仲間という間柄です。
今にして思えば本当に一時の夢のような関係でした。