会社の同僚に昔付き合っていた彼女にそっくりな女性がいました。
顔が似ていると性格まで似るのかと驚くほどよく似ていました。
同僚の女性が、丁度昔付き合っていた彼女と同じくらいの年齢でした。
会社でその女性を見ていると自分だけが年をとり彼女は若く
美しくその当時のままタイムスリップをしてしまったようでした。
同僚の女性は「恵美」といいます。昔の彼女と当然ですが名前は違います。
「恵美ちゃん」と私は年齢が20も違うのです。

 私が出社すると恵美ちゃんはすぐにお茶を入れて私の席まで持ってきてくれます。
「はい、お茶です。お早うございまーす。」と朝から可愛い女性から
挨拶をしてもらえるだけでも幸せなのにお茶が一緒に出てくるのです。
私はこの一時のために会社に行っているといってもいいくらいでした。
「ありがとう、恵美ちゃん。いつも悪いね、嬉しいから明日もお願いね。」という調子でした。
 午後から企画会議がありました。私の提案が通り地方に工場を建設することになりました。
そのため来週早々、現地に行くことになりました。
元々地方に幾つか工場建設予定地を会社が所有していたので
そのうちの一つを見に行くことにしたのです。
見に行くためには多くの資料を揃え事前準備が必要なのが会社です。
私はその日から3日ほど会社に残り仕事をしていました。
 「昨日、残業だったんですか。」といつものようにお茶を入れて持って
きてくれた恵美ちゃんに尋ねられました。
「そうなんだよ、一人は寂しいから恵美ちゃん、今日一緒に残業してくれる?」
と冗談の掛け合いです。親子ほど年齢の離れた男女が
こんな話を仕事の最中にしていても誰も何とも思いません。
私も冗談の他のなにものでもありませんでした。

 夜9時を回りました。人気のない会社で一人で仕事をしていました。
誰かが部屋に入ってきました。恵美ちゃんでした。
「お疲れでーす。差し入れ持ってきました。ここに置いておきます。邪魔でしょうからもう帰りまーす。」
と私が一言も声を掛けられないまま差し入れを置いて帰って行ってしまいました。

 翌朝、「昨日、ありがとう。何ですぐ帰ちゃったの、お礼も言わせないで。」
「邪魔すると悪いですから」
「本当に気が利くいい子だね。来週の出張に一緒に連れて行きたいくらいだよ。」
と冗談を言いました。
「何時ですか?」「朝早くて、5時に上野。」と答えてしまいました。

 出張当日の朝です。上野駅に行くと恵美ちゃんがいました。私は唖然としました。
「えっ?何?」と恵美ちゃんの顔を見ました。
「会社、有給を取って休んじゃいました。一緒に行きます。」
連れて行くわけには行きません。
駅で説得をしましたが恵美ちゃんは聞き入れることなく私についてきました。
親子ほど年齢の違う私のどこを気に入ってくれたのか分かりません
私は出張先に女性同伴で出かけることになってしまいました。
その後、半年ほど不倫の関係が続きました。